• IPCスペースセミナー東京 9/3(月)

    セミナー開催レポート

    Teresa M Rowe, IPC

    Association connecting industries 

    宇宙・航空産業におけるIPCスタンダード

    Bhanu Sood, NASA Goddard Space Flight Center

    ミッションクリティカルなプリント回路組立品信頼性評価のための故障物理に基づく仮想適格性評価方法の適用

    佐野俊二, 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)

    宇宙用機器におけるはんだ付及びプリント配線板の課題と要求

  • セミナー概要

    はじめての試みとなるスペース産業における製品信頼性の考え方をセミナーが開催され、90名を超す来場者で、満員御礼となった。日本を代表する宇宙産業の中心的企業から、自動車産業、EMSやPCBメーカーなど、高信頼性の製品を製造・提供する様々な企業の方々にご参加頂いた。国の境を越えて、国内外のエキスパートが手がけている最新事例や考え方などを学ぶ貴重な機会となった。

     

    当然のことながら、宇宙と言う地上用とは大幅に異なる。NASAのSood氏からは、使用環境におけるリスクマネージメントに関する考え方、NASAにおける最先端の不良予測モデル、グローバル全体における標準化動向や鉛フリー化を含む産業課題をIPCのTeresa氏よりご講演頂いた。また、日本を代表する宇宙開発機関として、JAXAの佐野氏から、「宇宙用機器におけるはんだ付およびプリント配線板の課題と要求について 」をテーマに、JAXA規格とIPCとの違いや関係性、どのようにIPCを自工程に取り入れているかをはじめ、宇宙品質のはんだ付における不良事例やIST試験、NASA、ESAとの協調関係などを講演頂いた。また、セッション後の質疑応答および、恒例の個別QAセッションでは、積極的な意見交換や質疑応答が見受けられた。

     

    IPCスタンダードにおける、宇宙航空用の追加規格は、基本文書と併用して使用する必要があり、版数も適合する必要がある。現在は、3種類の標準書において追加基準がリリースされている。

    IPC J-STD-001GSは、宇宙品質はんだ付の必要な工程において明記したものであり、日本語版がリリースされた。本書は、NASAだけでなく、ミリタリー、防衛、重工など高信頼性を求める産業でも採用される。

    IPC/WHMA-A-620Cは、ワイヤーハーネスの組立品における許容基準を明記している。NASAは、2008年には、独自基準NASA-STD-8739.4を取りやめめ、620およびSpace addendumを採用すると発表している。

    IPC 6012Dは、リジットプリント板における要求仕様を標準化している。6012DSは、宇宙用プリント基板において地上用途とは異なる信頼性や要求事項を追記したものである。現在、6012DおよびDSの日本語化を進めている。